
ステロイド剤と聞くと、スポーツ選手のドーピングやアトピーの薬をイメージする人も多いと思いますが
ステロイドには筋肉増強剤としてのアナボリックステロイドと、
抗炎症性ステロイドがあり
ネフローゼ治療に使われるのは後者の抗炎症性ステロイドの方です
そして
ステロイドとは副腎皮質ホルモンのことで、
もともと人間の身体で作られているものです。
腎臓の上部に[副腎-ふくじん]と呼ばれる臓器があり、そこでステロイドが作られています
≫ステロイド剤の効果(メリット)について
この副腎で作られる[グルココルチコイド]というホルモンの
強力な「抗炎症作用」と「免疫抑制作用」に着目し
この[グルココルチコイド]の効果を
人工的に数十倍に強くした加工物がステロイド剤です
とても強く・そして早く効くという優れた効果があり様々な医薬品にステロイドが使われています
塗り薬だったり、錠剤だったり、目薬だったりと形は異なりますが、現在相当な数種の薬品にステロイドは含まれています
そして医療の現場では実に様々な病気にステロイド剤が使われています
ネフローゼ治療にもこのステロイドは使われています
数十年前、ネフローゼは死ぬ病気とされてきましたが医学の進展のおかげで、
このステロイド剤がネフローゼに効果がある事が分かり
以来、ネフローゼ症候群の薬物治療の第1候補にステロイド剤が使われるようになりました。
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■■ なぜネフローゼの治療が長期化するのか? |
ネフローゼの投薬治療が長期化する理由
ステロイド剤を長期間服用することで、本来体内で作っていたステロイドを作る必要がなくなると、
副腎の機能が低下してしまいます
分かりやすく言うと、
副腎が『作る必要が無いなら休んじゃえ♪』とステロイドを作るのをサボってしまうのです
ネフローゼの治療として、ステロイド剤を服用し浮腫みや尿たんぱくが改善しても
絶対に自分の意思で服用を止めたり、量を減らしてはいけません
副腎は[外からステロイドが入ってくる]と思っていますので
その状態のままステロイドの使用を急にやめると、
体内にステロイド不足が生じ危険な状態(*)になってしまいます
*吐き気、頭痛、倦怠感、血圧低下などのステロイド離脱症状(ステロイド離脱症候群)
効果が現れて症状が落ち着いても急には止められないのがこの薬の特徴です
ステロイドの服用量を減らしながら、低下した副腎の機能が徐々に復活するのを待ちます。
 
投薬治療のスタート時に、大量のステロイド剤を服用した事で、副腎の機能が低下
↓
↓
そこから副腎の機能が回復するのを待ちながら、少しずつ少しずつ長期間をかけてステロイドを減らしていく
ネフローゼの投薬治療が長引く理由がコレです
 
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■■ ステロイドの副作用(デメリット) |
長期間の服用で現れる症状と副作用(デメリット)
ステロイド剤のもう一つの側面が、副作用です
冒頭で筋肉増強剤として使われるステロイドはスポーツ界では禁じられていると説明しました
プロテインやその他のサプリメントはOKで、ステロイドがNGなのは
ステロイド剤の副作用が人体に様々な悪影響を及ぼすからです
ネフローゼ治療に使われる方の抗炎症性ステロイドにも様々な副作用があります。
副作用は個人差があり、症例、症状は書ききれないほどあります
必要以上に[こんな副作用もあるよ、それからこんな副作用も・・]と説明すると余計な不安を煽るという理由から
病院や医師は[必要最低限説明しておかなければならない]範囲で副作用について説明するケースがほとんどです
試しにステロイドの副作用と検索してみてください
ネフローゼ治療が始まる前に医師から伝えられた以外にも副作用がゴロゴロ。。。
ステロイド剤の内服(飲み薬)による副作用は肉体面だけではなく、精神面にも及びます(個人差)
大まかな表現だと
顔が月のように丸くなる(通称ムーンフェイス)
強烈な空腹感に襲われ食欲が旺盛になる
成長障害(背が伸びなくなる)
毛深くなる
免疫力の低下
情緒不安定
骨がもろくなる
眠れなくなる
おかしな所に筋肉がつく(肩やおなか、野牛肩)
その他沢山。。。
これらをもう少し詳細に説明すると
食欲を抑える事が出来ずに食べてしまい、結果糖尿病になったり肥満化
免疫力が落ちているので風邪をひくと肺炎に発展
眠れなくなる事で精神的にも体力的にも回復しなくなり、気分が落ち込んだり、凶暴になったり、うつ病になる
骨がもろくなり、骨折しやすくなる(*)
*管理人も2009年のネフローゼ発病から退院後2年ももたずに右足の骨が折れ、(大腿骨頭壊死症)
1年以上足を引きずって働いていました
*管理人自己紹介で経緯を紹介しています

必ずしも副作用が現れて苦しむというわけではありませんが
ステロイドには優れた効果の半面、強烈な副作用がある事を理解し
普段の生活を気をつけて過ごしましょう
ウガイ、手洗い、風邪の予防やバランスのとれた食事を心掛ける
激しい運動を避ける
急にイライラするようになったり、気分がおかしくなった時のリラックス方法を見つけておく、
自分は気がおかしくなったんじゃないか??と悩む前に、
『あぁ!これって副作用!?』と気付けるようにステロイドの副作用には十分注意しましょう
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